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随処作主(ずいしょさくしゅ)【前編】
2007/04/01 更新春は、新入社員の入社、人事異動など人の動きが多い季節である。人がこの動きをどのように考えるかは大事なことだ。
米国の心理学者ウィリアム・ジェイムスは「人は心構えを変えることで、なりたい人間になれる」と言っている。それはまた20世紀最大の発見の一つであるという。
この心構えを変える方法について参考になる言葉がある。臨済宗の宝典といわれる臨済録の「随処に主となれば、立つところみな真なり(随処作主 立所皆真)」の言葉だ。
「どのような仕事につくにせよ、その仕事の主人公になった気持ちで勉励すれば、必ず道が開け正しい成果が得られる」という教えである。特に「随処作主」は、「どのような仕事でも、その主人公になった気持ちで勉励することが大切だ」という教えだ。
これを心がけると、否定的な消極思考から肯定的な当事者意識の思考になっていく。
二つ例を挙げてみる。
まず新入社員のA君の場合。「この仕事は私の夢に描いていた仕事ではない。自分には向いていない、自分の能力が生かせない、だからやる気が出ない」と嘆いていた。 そんな彼が随処作主で意識を変えると「仕事の向き不向きはやってみないとわからない。目一杯本気になって仕事をしてみよう」となる。本気になるとエネルギーがどんどん出てくる。だから、向いていないと思っていた仕事が、思っていた以上にできるようになる。すると仕事が楽しくなり、目標を立て、対策を考え実行するようになる。仕事の業績も上がり評価も高くなるので、仕事が好きになっていく。
次に左遷されたBさんの例。左遷を悲観し、仕事に対する取り組み姿勢が悪くなり、気力、やる気、元気がなく、回りにも悪影響を及ぼし、評価はさらに落ちていった。そんなBさんでも、随処作主で、積極的思考に転換すると考えが変わる。
「ピンチはチャンス!大きく成長する試練の場だ。ありがたい」と考えるようになる。そんな肯定思考になれば、脳は対策を考え始める。所属する部門をもっと良くするために、自分の立場でできることは何かと目標を立てる。目標達成のために対策や優先順位を考え、問題解決のため本気になって努力する。結果、評価は見直される。
変革の時代である現在、仕事の取り組み方に甘さがあると、容赦なく淘汰されていく。だからこそ「随処作主」の考え方、つまり主人公になった気持ちで勉励することが大事なのだ。全員戦力化が必須の今、「随処作主」は、全社員が身に付けるべき考え方である。
【長尾光雄プロフィール】
企業活性化教育研究所 代表
33年間営業の世界を経験(常にトップランク実績)
企業教育研修.講演を24年間経験
社員教育の世界を19年間経験
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