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企業教育とは

一樹百獲 (いちじゅひゃっかく ) 【前編】

2008/01/08 更新

 一樹百獲とは「人を育てることは大きな利益をもたらす」という例えだ。
 バブルが崩壊し、競争が激化して多くの企業では社員を資源と考えず、単なるコストと考えて、多くの社員を削減した。90年代初頭に2%前後で推移していた労働費用に占める教育訓練費の割合も、現在は1.5%程度に落ち込んでいる。人を育てず、即戦力によって利益を確保するという経営手法である。


 しかし、この手法はひずみを生んでしまう。
 例えば、アメリカの世論調査会社ギャラップは日本人の会社に対する忠誠心や仕事の熱意が世界10カ国中最低だという調査結果を示した。
 また、06年10月の日経ビジネスでは、日本企業のマネジメント能力の世界ランキングが95年の16位から06年には31位に後退したことを示した。同誌では、この背景に、企業の人材育成不足があると分析し、次のような数値を取り上げている。


 業績の良い五期連続増益企業の人件費の伸び率は5年平均で12.3%増加。それに対し東証一部全体の平均では7.8%。業績の良い企業のほうが、全体平均より五割ほど人件費の伸び率が高い。人件費の中に教育訓練費が含まれるからだ。だから業績の良い五期連続企業の労働生産性の伸び率が41.3%に対して東証一部全体の平均では28.4%にとどまっている。


 稼いだ利益をきっちりと人材の再投資に回し、それが企業の利益をさらに高め、中長期的な安定成長をもたらす。これらの数値は、そんな経営手法が正しいことを裏づけているのだろう。
 そして人材育成を重視する企業には、自然と優秀な人材が集まってくるものだ。私が顧問をしている三和ベンダー株式会社の加藤裕樹さんの感想文を紹介しよう。


 「私は一身上の都合から当社を一度退社しています。その後、別の会社を経験し、9月に復職させていただきました。復職を希望した理由は、人間的な成長を望んだからです。当社には管理者養成学校の基礎コースや実践型集合教育研修など多くの研修メニューが用意されています。最初の入社当時の私は、大勢の前で話すのが苦手で全く話せませんでした。でも研修を受け、弱点が改善されたのです。何事も本気で取り組むことを学び、弱点を克服できました。
 しかし別の会社では、本気の姿勢がなかった。仕事も研修も本気で取り組まない。私は本気で取り組み、自分が成長できる場所を望んだのです」


 一樹百獲である。一を育てて百倍もの収穫があるのは人材である。


【長尾光雄プロフィール】
企業活性化教育研究所 代表
33年間営業の世界を経験(常にトップランク実績)
企業教育研修.講演を24年間経験
社員教育の世界を19年間経験


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