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スポーツ競技エコ事情

伝統の阪神甲子園球場が 「最新型エコ球場」に!

2010/08/09 更新

阪神タイガースの本拠地、伝統のある高校野球大会の開催地―阪神甲子園球場が「エコ球場」に生まれ変わる。2007年10月に着工していたリニューアル工事が2010年3月についに完了した。今回のリニューアル工事の目的には「環境への配慮」も含まれており、特にスタンドの大屋根「銀傘(ぎんさん)」に設置された最新型の太陽光発電システムは大きな注目を集めている。
 
銀傘に次世代型太陽光発電を導入
リニューアル工事の主な目的は「安全性の向上」「快適性の向上」そして「環境への配慮」。「安全性の向上」では、老朽化対策として耐震補強などを実施。「快適性の向上」では、場内設備を利便性の高いものに一新した。
 
そして3つ目の「環境への配慮」で注目を集めたのが、壁面緑化と太陽光発電だ。 まず壁面緑化の取り組みでは、甲子園の名物ともなっていた球場の外壁を覆う「ツタ」の再生が課題となった。 
ツタは外壁補強・改修工事のため、伐採しなければならなかった。そこで、伐採したツタを別の場所に移し、さらにそれらのツタから種子をとり、苗を育てた。そして工事後にそれらのツタを再植樹するという方法を採用。また、高等学校野球連盟加盟の233校にツタを育ててもらい、それらも再植樹を行って、球場外壁のツタは再生された。
 
太陽光発電の設備を設置したのは、「銀傘(ぎんさん)」の愛称で親しまれているスタンドの大屋根。設置された太陽光パネル(約1600枚)は、次世代型の「CIGS薄膜太陽電池」。1枚あたりの大きさは、横140センチ、縦80センチ、厚さ4センチ、重さ14キログラム。推定発電電力量は、年間約19万3,000キロワット時。これは、球場全体の年間使用電力量の約5.3%に相当し、年間約193万円の電気代削減となる。CO2 排出量も年間で約133トン削減できる。
 
また一塁側と三塁側の通路には発電量が示される表示板を設置。来場者も稼働状況を確認できる。なお、ここで発電した電力は蓄電ができないため、日中の練習やイベントのほか事務所やオフィシャルショップ、甲子園歴史館などで活用される。本拠地球場での太陽光稼働はマツダスタジアムに次いで2番目。
「壁面緑化」「太陽光発電」以外の環境配慮のリニューアルとして、グラウンドの散水や場内トイレの洗浄水に、井戸水や雨水を利用する設備も整えられた。
 
プロ野球界では2008年から「グリーン・ベースボール・プロジェクト」として環境問題に取り組んでいる。攻守や選手の交代時間を計測し、ルールを決めて無駄を省く。試合時間を1分間短縮すれば、36キロワット時の削減につながる。ほかにはデーゲームの増設や冷暖房のこまめなオンオフ、コピー用紙の再利用、施設へのオール電化の導入、電車やバスでの来場の呼び掛けなど、活動項目は数多い。選手、球団、球場、そしてファンが一致団結して環境活動に取り組んでいる。 
阪神甲子園球場はプロ野球の本拠地で最も歴史ある球場である。その伝統を守りながら、環境に貢献できる球場に生まれ変わった。ファンや観光客、高校野球や甲子園ボウルなどでここを訪れる多くの若い世代に、伝統と環境の大切さを伝える球場となるだろう。
 
 

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